内定者が入社を決める際に重視したこととは? | 内定者フォローに対するZ世代1,119人のホンネ 【第1回】
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- ダイヤモンドHRD総研
近年、人手不足が加速する中、人材獲得競争はますます激しさを増しています。就活生の多くが複数の内定(内々定)を獲得しており、企業が内定を出しても、内定承諾が得られないケースや、内定承諾後であっても辞退されてしまうケースが少なくありません。企業の採用活動において、内定者の「つなぎとめ」は大きな課題になっています。
優秀な人材をつなぎとめるためには、入社への不安を解消し、企業への期待や信頼感を高める「内定者フォロー」が必要不可欠です。この連載記事では、ダイヤモンドHRD総研が、入社3年目までのビジネスパーソン1,119人を対象に実施したアンケート調査の結果をもとに、イマドキの内定者の実態とフォローのポイントを読み解いていきます。
6割以上の就活生が2社以上から内定を獲得
≪内定を獲得した企業数≫を尋ねたところ、「1社:38.3%」「2社:28.6%」「3社:18.8%」「4社以上:14.3%」という回答割合でした【グラフ1】。
全体の6割以上(61.7%)が2社以上から内定を獲得しており、多くの就活生がいずれかの企業から内定を獲得したあとも就職活動を継続していることが読み取れます。
近年は売り手市場で、学生が企業を選んでいる状況です。複数の選択肢の中から、いかにして自社への入社意欲を高めるかは、人材獲得における重要な課題だと言えます。

次に、≪入社を決めるまでにどのくらい悩んだか≫を尋ねたところ、1社内定の方の場合は「とても悩んだ:8.2%」「やや悩んだ:25.2%」、2社以上内定の方の場合は「とても悩んだ:30.0%」「やや悩んだ:44.9%」という回答割合でした【グラフ2】。
複数の内定を獲得した就活生の4人に3人が「どの企業に入社したらいいのか」に悩んでおり、また、内定が1社のみの場合も、3人に1人は「この会社に入社していいのか」に悩んだ経験があることが分かります。
採用活動は内定を出したら終わるわけではありません。内定者の迷いに対して、自社への信頼感を高め、入社の決断を後押しできるようなフォローが重要だと言えます。
入社への不安解消が「つなぎとめ」のカギ
続いて、≪入社を決める際に重視したこと≫を見ていきましょう。この記事では、2社以上内定の方の回答結果をピックアップして解説いたします【グラフ3】。

1位は「福利厚生や教育体制が充実している(76.7%)」で、4位の「給与や手当が充実している(70.6%)」とともに、待遇に関する項目が上位に並びました。
2位には「業務内容にやりがいや魅力を感じる(73.2%)」、5位には「会社の風土や価値観が自分に合っている(70.4%)」がランクインしました。自分の興味関心や価値観とマッチするかどうかを重視していることが分かります。
注目したいのが、3位の「入社への不安や疑問を解消してくれた(70.9%)」で、1社内定の方の回答結果(7位/53.4%)と比べて、重視したという回答割合が約17ptも高くなっていました。複数の内定先から自社への入社を決めてもらうためには、内定者の不安や疑問を解消できるようなフォローがより重要になってくると言えるでしょう。
まとめ
今回の記事では、≪内定を獲得した企業数≫≪入社を決めるまでにどのくらい悩んだか≫≪入社を決める際に重視したこと≫に関するデータをご紹介しました。
現在、就活生の多くが複数の内定を獲得し、どの企業に入社するかを吟味しています。そこで重視されるのは、給与や福利厚生などの条件面だけではありません。入社する企業を決めるにあたっては、価値観のすり合わせや入社への不安解消につながるフォローなども重要な要素であることが分かります。
それでは、実際のところ、イマドキの内定者はどのような不安を抱えているのでしょうか? 次回の記事では、同じくアンケート調査の結果をもとに、内定期間中の不安と企業への期待について読み解いていきます。
記事構成・編集
ダイヤモンド社 HRソリューション事業室 広瀬一輝
1993年生まれ、高知県出身。2016年に新卒でダイヤモンド社に入社。書店営業部を経て、17年よりHRソリューション事業室で人材開発事業に携わる。適性検査、動画教材、研修プログラムなどの企画開発のほか、HD領域の書籍編集を担当。趣味は読書(SF・ミステリ)とオンライン将棋。
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