内定者が抱える不安と企業への期待とは? | 内定者フォローに対するZ世代1,119人のホンネ 【第2回】

ダイヤモンド社 HRソリューション事業室 広瀬一輝

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  • ダイヤモンドHRD総研

近年、人手不足が加速する中、人材獲得競争はますます激しさを増しています。就活生の多くが複数の内定(内々定)を獲得しており、企業が内定を出しても、内定承諾が得られないケースや、内定承諾後であっても辞退されてしまうケースが少なくありません。企業の採用活動において、内定者の「つなぎとめ」は大きな課題になっています。

優秀な人材をつなぎとめるためには、入社への不安を解消し、企業への期待や信頼感を高める「内定者フォロー」が必要不可欠です。この連載記事では、ダイヤモンドHRD総研が、入社3年目までのビジネスパーソン1,119人を対象に実施したアンケート調査の結果をもとに、イマドキの内定者の実態とフォローのポイントを読み解いていきます。

内定者が抱える不安のトップは「人間関係」

前回の記事では、全体の約7割が、入社を決める際に「入社への不安や疑問を解消してくれた」ことを重視したという結果をお伝えしました。入社への不安解消が、内定者の「つなぎとめ」のためのカギになると言えるでしょう。

それでは、実際のところ、イマドキの内定者はどのような不安を抱えているのでしょうか? 今回はまず、≪内定期間中に抱いていた不安≫についてのアンケート結果を見ていきましょう【グラフ1】。

1位は「上司や同僚と良好な人間関係を築けるかどうか(68.4%)」で、2位の「職場の雰囲気や人間関係になじめるかどうか(67.1%)」と並んで、入社後の「人間関係」に関する不安がトップを占めました。

3位は「本当にこの会社が自分にとって最適なのかどうか(66.0%)」で、自身の決断に対して自信を持てず、漠然とした不安を感じている様子がうかがえます。

続いて、4位は「ワークライフバランスを保って働けるかどうか(65.9%)」、5位は「社会人生活にうまく順応できるかどうか(65.4%)」で、入社後の生活や働き方に対する不安が並びました。

全体的に上位項目と下位項目との回答割合の差が小さく、内定期間中の不安は多岐にわたっていることが分かります。トップの「人間関係」をはじめとして、内定者が抱いている入社への不安を、さまざまなアプローチで解消していくことが重要だと言えそうです。

フォローの充実と負担感とのバランスが重要

入社へのさまざまな不安を抱えながら、イマドキの内定者はどのようなフォローを求めているのでしょうか? ここからは、≪内定期間中に企業に期待していたこと≫を見ていきましょう【グラフ2】。

1位は「先輩社員の人柄や雰囲気を知りたい(64.3%)」でした。入社後の「人間関係」に対する不安があるからこそ、一緒に働くことになる先輩社員の人となりを知りたいという期待が強いことが読み取れます。

4位にも「先輩社員から実際の仕事や働き方について聞きたい(63.3%)」と、同じく先輩社員との接点を求める声が上位に並びました。入社後のリアルな仕事や働き方について、実際に働く先輩社員から話を聞きたいと思っていることが分かります。

3位には「入社後の仕事に役立つ知識やスキルを学びたい(63.4.%)」、5位には「社会人としての心構えや一般常識を学びたい(61.3%)」がランクインしました。入社に向けての準備やスキルアップを図りたいと考える内定者も多いようです。

一方で、2位は「残りの学生生活や卒業旅行を楽しむ余裕がほしい(63.7%)」で、およそ4人に1人が「とても期待していた」という回答でした。先輩社員との交流やスキルアップのための機会提供を望みつつも、重い負担や拘束を受けることは避けたいという心情がうかがえます。

内定者は前述したような不安を感じているからこそ、その解消につながるようなフォローを求めていることが分かります。一方で、負担がかかりすぎる内容は敬遠される場合もあるため、フォローの充実と負担感とのバランスをとることが重要と言えそうです。

まとめ

今回の記事では、≪内定期間中に抱いていた不安≫と≪内定期間中に企業に期待していたこと≫に関するデータをご紹介しました。

内定者の多くが、入社後の「人間関係」や「仕事・働き方」に不安を抱えており、だからこそ、実際に働いている先輩社員との接点や、入社への準備・スキルアップの機会を求めていることが読み取れます。負担感に配慮しつつ、内定者の不安に寄り添ったフォローを実施することが重要だと言えるでしょう。

それでは、現在、企業はどのような内定者フォローを実施しており、内定者はそれをどのように受け止めているのでしょうか? 次回の記事では、同じくアンケート調査の結果をもとに、フォローの内容と内定者の満足度について読み解いていきます。

記事構成・編集

ダイヤモンド社 HRソリューション事業室 広瀬一輝

1993年生まれ、高知県出身。2016年に新卒でダイヤモンド社に入社。書店営業部を経て、17年よりHRソリューション事業室で人材開発事業に携わる。適性検査、動画教材、研修プログラムなどの企画開発のほか、HD領域の書籍編集を担当。趣味は読書(SF・ミステリ)とオンライン将棋。

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