「パラドックスが実践するドラッカーマネジメント」 ~ドラッカー公認マネジメント・プログラムを修了した経営者が自社の取り組みを紹介
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- ダイヤモンドHRD総研

「マネジメントの父」P.F.ドラッカー。そのドラッカー公認のマネジメント・プログラムである「ドラッカー塾®」。ドラッカー塾®の成果として、修了生である株式会社パラドックス様(東京都渋谷区)の取り組みをご紹介致します。
今回はパラドックス様の東京オフィスで、代表取締役の鈴木猛之様(以下、鈴木代表)(2012年、2019年トップマネジメントコース受講)、執行役員の高田訓子様(以下、高田役員)(2025年エグゼクティブコース受講)という二人のドラッカー塾®修了生を取材させていただきました(撮影/三田村優)。

株式会社パラドックス 代表取締役 鈴木猛之 様(左)
株式会社パラドックス 執行役員 高田訓子 様(右)
株式会社パラドックスの概要
株式会社パラドックスは、株式会社リクルートで求人広告のクリエイティブ制作に従事していた鈴木代表が独立して2001年に設立した会社です。現在の主力事業は企業のブランディング支援です。
パラドックスの経営を知るためのキーワード「志」
パラドックスの経営を表現するうえで、欠かせないキーワードが「志」です。パラドックスでは、すべての人や企業には、自分にしかできない世の中への役立ち方があると信じ、それを「志」と呼んでいます。
こうした「志」を経営理念の中心に据えた経営(=志経営)は、「ドラッカー5つの質問」を中核とするドラッカーマネジメントと共鳴する部分が多く、パラドックスの社内ではドラッカーの考え方が当たり前に浸透しています。
ドラッカーマネジメントを社内・社外の両面で活用(二重構造)
パラドックスがユニークなのは、ドラッカーマネジメントを社内・社外の両面でフル活用する二重構造となっている点です。すなわち、ドラッカーマネジメントを自社の理念経営に取り入れるのみならず、クライアント企業のブランディング支援にも活用しています。
ビジネスブランディング+パーソナルブランディング
現在のパラドックスは、企業向けのビジネスブランディングに加えて、個人向けのパーソナルブランディングおよび関連サービスも事業展開しています。2025年度での全社売上が約20億円、そのうちビジネスブランディング関連が約17億円、パーソナルブランディング関連が約3億円となります。社員数は取材時点で約90名。
創業から主力事業をブランディングに移行させるまで
パラドックスの創業から主力事業をブランディングへ移行させるまでの経緯を鈴木代表に伺いました。

「志」のある中堅・中小企業に「自分だけの宝」を見出す
「社会人としてのスタートはリクルートです。人材採用広告の制作ディレクターに従事していました。そのとき、『志』を持ち、生き生きと人生を楽しんでいる中堅・中小企業の経営者に数多く出会い、魅力を感じ、刺激を受けました」(鈴木代表)
「独自の価値を追求している『志』のある中堅・中小企業の案件は、こだわりが強いため、仕事の難易度も高いものでした。しかし、そこに食らいついていけば独自性の高いハイクオリティなアウトプットを生めるので、非常にやりがいがありました。また、広告制作において中堅・中小企業はリクルート社内では人気の企業群ではなかったので、『自分だけの宝を見つけた』と思いました」(鈴木代表)
リクルート社内で独自ポジションを確立するものの独立へ
「志」のある中堅・中小企業担当として、鈴木代表はリクルート社内で独自ポジションを確立させましたが、大きな分岐点に立たされます。
「次第に『志』のある経営者から依頼される案件内容と、リクルートの事業ドメインとの間にズレが生じるようになりました。そこで会社を選ぶか、お客様を選ぶかという二者択一を迫られた結果、2001年に独立してパラドックス(創業時の社名はパラドックス・クリエイティブ)を設立しました」(鈴木代表)
独立後は順調に業績推移したが、リーマンショックで状況が一変
「独立後も担当していたクライアントの案件を受託というかたちで、すべて受けることができました。また、リクルート社内で難易度がネックとなる案件があると、駆け込み寺として当社に依頼が来るという流れができました。こうしたリクルートとの二人三脚で、業績は順調に推移しました」(鈴木代表)
しかしながらリーマンショック(2008年)で状況が一変しました。
「企業の業績悪化に伴い採用市場は急激に冷え込み、リクルートも業績悪化に見舞われました。その結果、リクルートからの仕事が一気になくなり、当社は大きな赤字を出すことになりました。そこで1社依存のリスクを痛感し、顧客分散してやっていこうと目覚め、『直クライアント100%を目指す』という経営方針を打ち出しました」(鈴木代表)
クレド策定の依頼がブランディングへ軸足を移す転機に
その後数年、業績は低迷していましたが、ある経営者からのクレド策定依頼が転機となります。
「ある経営者から、社員が増えてきたが統率が取れていないのでクレド(※)を作ってくれないかという依頼を受けました。ドラッカー流にいえば『予期せざる顧客の要望』です。それを契機に、同じ言葉を創る仕事でも意義深く、(採用広告の制作よりも)取引単価が高いということで、ブランディングに軸足を移していくことにしました」(鈴木代表)
※「クレド」
その企業の全従業員が心がける信条や行動指針。
1回目のドラッカー塾®受講
このタイミングで鈴木代表は1回目のドラッカー塾®(トップマネジメントコース、2012年4月開講期)を受講しました。
ドラッカー塾®受講のきっかけ~クライアントの社長に誘われて
「受講の直接的なきっかけは、当社のクライアントの社長から『鈴木さんも一緒にドラッカー塾®を受講しませんか』と誘われたことです。また、親交がある株式会社Plan・Do・Seeの創業者・野田豊加さんのご尊父が、ドラッカーの著作『現代の経営』を最初に翻訳(1956年)した経営学者の故・野田一夫先生だったというご縁もありました」(鈴木代表)
「顧客の変化への対応」「経営者としてのコンプレックスの解消」という課題意識
「『ドラッカー5つの質問』の使命、顧客、価値に照らせば、以前の当社ビジネスは、主に採用責任者に対して(顧客)、採用を成功させるクリエイティブを提供することで(価値)、志のある企業を応援する(使命)というものでした。それがブランディング中心のビジネスとなると、顧客を採用責任者から経営者へスライドさせ、それに伴い提供すべき価値も見直す必要が生じました」(鈴木代表)
「また、当時の私はクリエイターとしての意識が強く、『自分が本当に経営者なのか』という思いをずっと抱いていました。しかし、ブランディングでは顧客となる経営者の対等なパートナーとなるために、私自身が経営者として自信を持てるようになることが不可欠だと思いました」(鈴木代表)
ドラッカー塾®での学び
「『ドラッカー5つの質問』を徹底的に掘り下げることで、経営の軸に据えることができたのが大きいと思います。これ以降は『5つの質問』に基づき構想することで、自信を持って新規事業を始められるようになりました。社会や顧客への貢献を基準に物事を考え、お客さんの声にしっかり耳を傾け、積極的に聞きに行くことを重視するようになったことも、ドラッカー塾®の学びの成果だと思います」(鈴木代表)
ドラッカー塾®の少人数・塾形式の魅力にも言及していただきました。
「ドラッカー塾®の場合、少人数の塾形式のため、他の経営者の方々からの学びや刺激もたくさんありました。経営者は誰しも同じような悩みに直面していて、そういう部分を共有・共感し合えるのもよかったですね。同期の経営者の方々との交流は今でも続いています」(鈴木代表)
ドラッカー第1の質問 われわれの使命は何か
ここからは「ドラッカー5つの質問」の観点から、パラドックスの経営について解説していただきました。

5つの質問の最初は「われわれの使命は何か」です。
「志の実現に貢献する。」(使命)と「志あふれる、日本をつくる。」(ビジョン)
パラドックスの理念体系のベースとなるのが、「志の実現に貢献する。」というミッション(私たちの使命)、「志あふれる、日本をつくる。」というビジョン(私たちが目指す未来)です。
「使命(ミッション)を『志の実現に貢献する。』とワーディングしたことで、それまでクライアント企業の持つ「志」を効果的に伝えるビジネスにとどまっていたものが、「志」を明確化する、「志」をさらに高めるといった企業理念を介した企業変革の領域まで踏み込んでいけるようになりました」(鈴木代表)
「ビジョンについては、ドラッカー塾®で国永先生(担当講師)がグラミン銀行の『貧困を博物館へ(Poverty to the Museum)』というビジョンを例示してくださったので、そのような理想の未来のシーンを描きました」(鈴木代表)
「志あふれる、日本をつくる。」と「日本の人々の幸福度を上げたい」は同義
パラドックスが「志」にこだわる大元には「日本の人々の幸福度を上げたい」という思いがあります。
「私のなかでは『志あふれる、日本をつくる。』と『日本の人々の幸福度を上げたい』は同義です。『自己実現欲求』(※)が満たされている人は幸福度も高い、という調査結果を踏まえると、自己実現に向かって成長できている人が幸せに生きていけることになり、「志を立てる=幸福度を上げる」のように繋がってきます」(鈴木代表)
※「自己実現欲求」
自分の世界観や人生観に基づいて「あるべき自分」になりたいと願う欲求。
「心」「技」「体」「志」のバランスのよい教育を
さらにパラドックスが考える「幸福論」では、「心」「技」「体」「志」という4つをバランスよく育んでいくことを重視しています。
「今の日本社会は『技』偏重であるという問題意識があります。個人が『志』を立てて、全うするためには『技』だけではなく、『心』や『体』を育む必要があります。その意味で、ブランディング活動を通じた理念経営の推進は、社員の人間性を高める『心』の教育にも寄与すると考えています。また、健全な『体』の確保(健康)に寄与する新規事業として、パーソナルジムの運営を開始しました」(鈴木代表)
こうした「幸福論」の考え方は、ドラッカーマネジメントが目指す「働く人の幸福と自由」というベクトルとも合致するものです。
ドラッカー第2の質問「われわれの顧客は誰か」
5つの質問の2番目は「われわれの顧客は誰か」です。
顧客は「志に基づいた理念経営を標榜している企業(=志企業)」
「ビジネスブランディングにおいて、われわれの顧客は『志に基づいた理念経営を標榜している企業(=志企業)』と設定しています。そして16の評価項目に照らして「志企業」に該当するか否かを判断し、特に10項目以上該当する企業をSランクとしています」(鈴木代表)
16項目のうち、特に着目すべき項目について説明していただきました。
「差別化された『志』を持ち、それを有言実行しているか、という点をしっかり確認するようにしています。それを象徴する項目が『独自性』や『志の実態』(※)となります」(鈴木代表)
※「志の実態」
実際は「志の実態」は(1)から(3)まで3項目あり、志の商品・サービスへの反映、理念浸透や人事評価の仕組み、志に則った採用活動など、多面的に「志の実態」(有限実行の実態)を評価している。
100年企業には人間性を高めていく「志」がある
また、「長期的視点」という項目には、パラドックスの価値観が色濃く反映されているように感じました。
「『長期的視点』は100年企業を標榜するなど、長期的視点でのビジョン実現を評価する項目です。世界的に見ても日本には100年企業が数多く存在します。その一方で、永く繁栄させていく企業をつくることを美徳とするという考え方が、今の日本の経営で失われているのではないかと感じます。歴史や時間にはお金では買えない価値があるはずです。100年企業のような歴史を持つ企業には、永く繁栄している理由があるわけで、そこに働く人たちの人間性を高めていくような『志』が関係していると私たちは考えています」(鈴木代表)
ドラッカー第3の質問「顧客にとっての価値は何か」
5つの質問の3番目は「顧客にとっての価値は何か」です。
ブランディング活動という手段を用いて、「理念経営」を推進する
ビジネスブランディングにおいて、パラドックスが顧客に提供する価値は「ブランディング活動という手段を用いて、『理念経営』を推進する」というものです。その背景には「“人間の本質”を経営に取り入れ、社員の人間性を高めることで、永く繁栄する企業をつくる」という考え方があります。
「理念経営」の推進は、大きく「理念の言語化(理念策定)」と「理念実践(理念浸透)」という2つのフェーズに分けられます。
理念の言語化~その会社ならではの「未来を創る言葉」
「その会社ならではの言葉を創ることを大切にしています。昨今、パーパス経営(※)がブームになっていますが、パーパスが本当にその会社ならではの価値を表現できているかといえば必ずしもそうなっておらず、他の会社でも適用できてしまうようなものも少なくありません。そのような表現では、社員にとって大切な『未来を創る言葉』とすることは難しくなってしまうでしょう」(鈴木代表)
※「パーパス経営」
自社の社会的な存在意義を「パーパス(Purpose)」として明文化し、パーパスを中心に据えて経営を行うこと。
必然が生まれることで、創られた言葉が“言魂”となる
「企業のシーズと社会のニーズの接点を理念(志)として言葉にすることが大切です。企業のシーズは会社の歴史を紐解きながら、自社らしさやDNAを抽出することで発見できます。そこに時代のニーズという未来に解決すべき課題を掛け合わせることで、過去~現在~未来という時間軸の流れで、その会社ならではの必然が生まれ、その会社にしか言えない言葉を創ることができます。必然が生まれることで、創られた言葉が魂のこもった“言魂”となります」(鈴木代表)
理念実践~ブランド戦略目標(KBI)で見える化
「理念実践において、言語化された理念は抽象度が高く、その実践をイメージしづらい面があります。そのギャップを埋めるため、マイルストーンとしてブランド戦略目標(KBI:Key Branding Indicator)を設定することで、理念実践を見える化します。KBIは、ブランディングの観点から経営の質を上げるための具体的目標として当社が独自で設定している指標になります」(鈴木代表)
自社の理念経営で得た経験・ノウハウを顧客の問題解決のヒントとする
理念実践のフェーズで、企業はさまざまな問に直面します。そうしたクライアントの問題に対して、自社の理念経営で得た経験・ノウハウを活かすことができるのがパラドックスの強みです。
たとえば、多くの企業が直面する問題が「理念についてのコミュニケーションの不足」です。その解決に役立つパラドックスの施策をいくつか紹介してもらいました。
「当社であれば、理念に関するコミュニケーション頻度を上げるために、全社員が日報を投稿し、それを全員で共有しています。他社員の投稿に対して、スタンプなどのリアクションもできます。その日報に理念実践も反映されるので、理念浸透のコミュニケーション・ツールとして機能しています。私自身も毎日投稿して、理念絡みの内容も織り交ぜています。また、月次レベルではスピリット賞というかたちで、パラドックスらしい行動を体現できている社員を選定して表彰しています」(鈴木代表)
ドラッカー第4の質問「われわれの成果は何か」
5つの質問の4番目は「われわれの成果は何か」です。
志Sランクのブランド・パートナー企業を増やす
「ビジネスブランディングで最も重要視している成果が、『志Sランク』の『ブランド・パートナー』企業を増やすことです。志Sランクは、『われわれの顧客は誰か』で述べた『志企業』の16項目中10項目以上該当する企業です。『ブランド・パートナー』とは、顧客を『顧客生涯価値(LTV)への貢献度』(小/大)と『新規顧客獲得コスト(CPA)への貢献度』(小/大)という2×2の4象限に分類し、LTVへの貢献度、CPAへの貢献度が共に大きい企業を『ブランド・パートナー』と定義しています。2020年時点で志Sランク&ブランド・パートナー企業は約48社でしたが、現在では100社を超えています」(鈴木代表)
NPSスコアや「志人口」も成果指標
「それ以外にNPS調査のスコアや『志人口』なども成果指標として考えています。NPSは2025年度のスコアが53.5であり、お客様から高い推奨度を得られているのではないかと思います。『志人口』とは、「志」を中心に据えた当社ビジネスに共感する人々(ビジネスブランディング、パーソナルブランディングなど当社ビジネスが関与する人々)の総数を成果指標とするものです」(鈴木代表)
NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは、顧客の自社ブランドの推奨度を示す指標です。顧客が自社ブランドの推奨度を0〜10の11段階で評価し、「推奨者(9-10)」の割合から「批判者(0-6)」の割合を引いて算出されます。
ドラッカー第5の質問「われわれの計画は何か」
5つの質問の最後は「われわれの計画は何か」です。
「志人口300万人計画」と次なるイノベーション
「前述の志人口を300万人つくるという『志人口300万人計画』を立案し、実行中です。2025年度時点の実績で約80万人、計画では2036年には300万人に到達させたいと考えています」(鈴木代表)
「また、次なるイノベーションとして、地方創生(自治体ブランディング)やグローバル展開といった顧客領域の拡大、空間ブランディング(サービス領域の拡大)によってブランディングビジネスを拡大させています。さらに映画事業やフィットネス事業(パーソナルジム運営等)の新規事業を立ち上げました。映画事業では、『水ホラー』として企画された第1弾作品『洗浄』を完成させました。フィットネス事業では、パーソナルジムの最初の店舗を3月にオープンしました。6月にさらに1店舗オープンさせる予定です」(鈴木代表)
「さらに、100年企業を目指すために、ホールディングス化し、同時に持株会を発足させました。社員にもオーナー(株主)になってもらうことでオーナーシップを醸成し、みんなで経営していく形をつくっていきたいと思っています」(鈴木代表)

「志が共生する森」というコンセプトの東京オフィス
以上、「ドラッカー5つの質問」の観点から、パラドックスの経営を整理していただきました。
2回目のドラッカー塾®受講
鈴木代表は2019年に再びドラッカー塾®を受講しています。
既存事業の稼ぐ力があるときに、新規事業の種を蒔く(両利きの経営)
「1回目に受講したときの学びによって、クリエイティブ会社からブランディング会社への移行というイノベーションを起こすことができました。一方で、今の時代は事業のライフサイクルが短縮化しており、1つの事業のライフサイクルは約20年で終わるということも学びました。そこでブランディング事業できちんと収益が出せているうちに、次のイノベーションを模索し、種を蒔いておきたいというが2回目の受講動機でした」(鈴木代表)
既存事業の稼ぐ力があるときに、新規事業の種を蒔く経営手法は「両利きの経営」と呼べるものです。
※「両利きの経営」
既存事業の効率化や改善を図る「知の深化」と、新しい事業の種を探す「知の探索」を同時に両立させる経営手法。
経営幹部から見たドラッカー塾®、ドラッカーマネジメント
ここからは高田役員へのインタビューをご紹介します。高田役員は2025年にドラッカー塾®エグゼクティブコースを受講されています。

経営幹部として、ドラッカーマネジメントのWhyからきちんとメンバーに伝える
「7年前にパラドックスに入社しましたが、その時点で社内のマネジメントでも、社外へのサービスでもドラッカーマネジメントが当たり前にありました。当社に転職するまではドラッカーマネジメントに触れる機会はなかったのですが、社内の至る所にドラッカーマネジメントが埋め込まれていて、自然とドラッカーの考え方に馴染み、それらを実践してきました」(高田役員)
「一方で、私も執行役員となってドラッカーの考え方を人に伝える機会が多くなるなかで、『What(何をするのか)』『How(どうやってやるのか)』という部分は理解できていましたが、『Why(なぜそれをやるのか)』という部分については、当たり前すぎて疑問を持つことや、説明を受ける機会があまりなかったことに気づきました。そこで、ドラッカーマネジメントに基づく社内の仕組みや制度をWhyからきちんとメンバーに伝えられるようになりたいと思い、エグゼクティブコースを受講することにしました」
ドラッカー塾®は執行役員となるためのアセスメントの場
「私の場合、ドラッカー塾®を当社の執行役員となるためのアセスメントの場として活用していた部分があります。社内で既に『5つの質問』に対する答えもあったので、宿題などもスラスラ書くことができました。ですから、それをきちんと他者に語ることができるかという観点から、当社の考えに対する自分自身の理解を深めていくプロセスだったと思っています」(高田役員)
経営幹部から見たドラッカーマネジメントの浸透
経営幹部の立場から、パラドックス社内のドラッカーマネジメントの浸透について説明してもらいました。
「ドラッカーマネジメントが社内の当たり前になっており、それぞれの社員が自分なりに紐づけて理解してくれているので、浸透度は高いと思います。新しく社員が入社したときには、『5つの質問』の使命・顧客・価値のトライアングルは当社サービスの根源となるところなので、その部分はしっかり伝えるようにしています」(高田役員)
「言語化した理念を社員一人ひとりが自分事に落とし込むためには、そこに自分なりのストーリーを見出し、共感できるかが大切です。ストーリーを見出すことで、会社にとっての必然が、自分にとっても必然になると思います。その意味では経営陣がストーリーで伝えていけるかというところは理念浸透のポイントになると思います」(高田役員)
今後のパラドックスの進化について
今後のパラドックスの進化について、ドラッカーマネジメントも踏まえて、鈴木代表、高田役員に語ってもらいました。
ドラッカーのフレームを用いて自発的にイノベーションを起こす組織へ
「当社が進化するためには、経営チームの全メンバーがドラッカーのフレームを使って、自らイノベーションを起こしていけるような状況になってほしいと思っています。長いスパンで当社を見たときに、何をすべきかを発想してもらい、種蒔きをどんどんやってほしいですね。すべてがうまくいくとは思っていないし、当社は失敗が許される組織なので、うまくいかない状況があっても、常にチャレンジ精神を持って前へ進んでほしいと思っています」(鈴木代表)
「組織の目的は、凡人をして非凡をなさしめることにある」
「『組織の目的は、凡人をして非凡をなさしめることにある』というドラッカーの言葉があります。当社の現状を眺めた場合、伸びる人は放っておいても伸びていきます。一方で、そこで少し取り残されてしまう人を伸ばしきれていない部分があるので、そこをきちんとフォローできるマネジメントスキルは必要だと感じています」(鈴木代表)
「ドラッカーマネジメントの組織づくりの基本は、『一人ひとりが己の強みを生かし、互いの弱みを打ち消し合う』というものです。それに当社の現状を照らすと、まだまだ上司が部下に厳しすぎる場面などもあるので、互いを尊重し合える組織づくりをより徹底させたいですね」(鈴木代表)
経営チームの各メンバーが新事業に対する『5つの質問』の答えを見つける
「当社でブランディング事業をうまく収益化できているのは、鈴木をはじめとするこれまでの経営陣が『5つの質問』に対する答えを精緻化し、それを実行してきたからです。そこから次のイノベーションを生むためには、私を含む今の経営チームのメンバーが、新しい事業に対して『5つの質問』の答えを見つけだしていかなければなりません。そこが乗り越えるべき大きなハードルだと思っています」(高田役員)
「当社では、全員経営というカルチャーをつくっていきたいと考えています。それを踏まえると、社員全員が当たり前に『5つの質問』に基づき、事業・仕事を発想できるようになることが、組織として目指すべき姿かもしれません」(高田役員)
ドラッカー塾®受講を検討する人へのメッセージ
最後に、これからドラッカー塾®の受講を検討する人に向けたメッセージをいただきました。

「会社の転機、フェーズを変えていきたいタイミングでドラッカー塾®を受講し、自分の頭の中を一度リセットして新たなものを見つけることができました。私は2回受講しましたが、そのときの自分の経営レベルに応じて、視界が変わってきたり、入ってくるものが変わってきたりするので、何回受けてもいいんじゃないかなと思います。ただの経営テクニックではなく経営哲学でもあると思うので、受講することで経営者の人間としての器が大きくなると思います。奥深く古びない教えではないでしょうか」(鈴木代表)
「自分が新たに経営チームの一員として加わっていくときに、『5つの質問』をはじめとするドラッカーマネジメントの考え方は、1つの拠り所になると思います。まだ経営について完全に理解していないなかで、経営幹部としてどうすべきかに迷ったら、ここに立ち返ればいい。『守・破・離』でいう『守』に相当するのがドラッカーマネジメントだと思います」(高田役員)
以上、ドラッカー塾®の成果として、株式会社パラドックス様のドラッカーマネジメントの実践をご紹介致しました。「ドラッカー5つの質問」を徹底的に掘り下げて経営の軸に据えるという、パラドックス様の経営をご理解いただけたと思います。
鈴木代表、高田役員、貴重なお話ありがとうございました。
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