インターンシップで終わらせない採用戦略 | 学生を本選考へ呼び戻す 「適性検査フィードバック」 活用術
更新日:
- ダイヤモンドHRD総研

インターンシップのルール改正により、取得した学生情報の採用選考への利用が可能となり、数年が経ちました。「社員からのフィードバック」など実施要件が厳格化し、実質的な選考へと変化するなか、重要性を増しているのが「学生のつなぎ止め」です。本記事では、インターンシップ選考に漏れた学生を本選考へと呼び戻し、確かな母集団を形成するための「適性検査フィードバック」の具体的な活用法を解説します。(ダイヤモンド社 HRソリューション事業室)
「企業見学」から「選考」へ。 変わる学生の意識と弊害
制度化される前のインターンシップは、学生が実際の就業体験を通じて自身の適性を知り、納得のいく就職先を選ぶための場という側面が強かったと言えます。学生たちの捉え方も、「興味のある企業の仕事内容を知りたい」「社内の雰囲気や社員の人柄に触れてみたい」といった、いわば「企業見学」の意図が強いものでした。企業側にとっても自社PRの場であり、負担の大きさから実施するのは一部の企業に留まっていました。
しかし現在、インターンシップが事実上の選考と直結したことで、学生の参加目的は「企業見学」から「就職活動のスタート(本番)」へとシフトしました。その結果、本来の目的であったはずの「仕事への適性の見極め」はおろか、かつて企業見学でなんとなく掴めていた「自分に合う企業かどうか」を実感する間もないまま、「とにかくインターンシップ選考に合格しなければならない」という内定獲得志向の意識が先行する状況に陥っています。
それを象徴するデータとして、近年では「インターンシップに参加できなかった(選考に落ちた)企業の本選考にはエントリーしない」という学生も増えています。これこそ、インターンシップが両者にとって実質的な「採用・就職活動」として定着した証左と言えるでしょう。

新たな課題: 「選考漏れ学生」をいかにつなぎ止めるか
インターンシップが採用活動の一環であるとみなされる現状、そこには「選別(合否の判断)」というシビアな課題が伴います。特にインターンシップは対応する人員が必要なため合格数が少なく、参加希望者を厳しく評価しなければなりません。一方で、先述した「インターンシップに落ちたら本選考を受けない」という学生の心理を踏まえると、インターンシップ選考で不合格となった学生をいかに本選考へ呼び戻すか(母集団の維持)も、非常に重要な人事戦略となります。
つまり、現在のインターンシップを成功させる鍵は、実施するワーク内容を充実させ、参加者の満足度を上げるとともに、参加できなかった(落とさざるを得なかった)学生に対しても「応募してよかった」と思える一定のメリットを提供することにあります。
その解決策として、いま多くの企業から注目されているのが「適性検査結果のフィードバック」です。
合否にかかわらず、学生へ贈る「おみやげ」の効果
本来、適性検査は企業が応募者を評価・選考するためのツールであり、その結果は企業側の機密情報(人事データ)として扱われるため、受検した本人に返却されることはありません。
しかし、この客観的な自己分析データは、実は学生側が最も欲している情報でもあります。就職活動を目前に控えた学生たちは、「自分は何者なのか」「どんな仕事に向いているのか」を必死に模索しているからです。そのため、自己分析の手助けとなる適性検査結果のフィードバックは、学生にとって非常に価値のある「おみやげ(応募のお礼)」になります。
適性検査のフィードバックを導入することで、企業・学生双方に以下のようなメリットが生まれます。

適性検査を活かした、効率的なフィードバック
とはいえ、応募者全員に個別のフィードバックシートを作成するのは、人事担当者にとって大きなリソース負担となります。
そこで推奨したいのが、ダイヤモンド社の『DFS(ダイヤモンドフィードバックシステム)』です。DFSは、多くの企業で実績のある適性検査『DPI』の診断結果を人事が取得し、通常の採用選考として運用しながら、応募者本人へそのまま開示できる「自己理解用フィードバックシート」をシステムから同時に出力できる検査ツールです。
現在のインターンシップ新ルールでは「就業体験に対するフィードバック」の提供が義務付けられていますが、DFSであれば、システムが出力する客観的データにもとづいたフィードバックをすることができます。人事の負担を最小限に抑えながら学生に還元することが可能です。

まとめ
2022年のルール改正以降、インターンシップは単なる就業体験の場から、実質的な「採用・就職活動のスタートライン」へと完全にシフトしました。
だからこそ、これからのインターンシップ戦略においては、限られた参加者へのアプローチだけではなく、選考の都合上落とさざるを得なかった学生への誠実な向き合い方が問われます。
インターンシップを単なる「優秀層の選別」で終わらせるか、それとも「未来の母集団を育てるファンづくりの場」へと昇華させられるかが、今後の採用成果の鍵を握ると考えられます。
ダイヤモンド社 HRソリューション事業室長 蓬田尚志
2015年にダイヤモンド社 HRソリューション事業室に適性検査等の開発担当として中途入社。適性検査、研修、教材など人事支援業務、支援ツールの制作・開発に携わる。現在は、ダイヤモンド・ヒューマンリソース株式会社 取締役を兼し、開発部門と現場営業部門の両立場を管掌。
資料請求
サービスに関する説明資料を無料でお送り致します。
資料請求するお問い合わせ
人事課題に役立つメルマガ配信中
メルマガ読者限定で、ダイヤモンド社書籍のプレゼント企画、人事課題解決のノウハウ資料・セミナー、サービスの効果的な活用のヒント、などの情報をお届けします。(登録無料、登録情報はメールアドレスのみ、退会はいつでも可能)

